君が勝ったら好きにしていい、咎めない。 さらに理事長を説得してあげる。 そう言われ、ただのゲームなら悪くない、そう思って二つ返事で勝負を受けてしまう。 それもゲームの内容を聞く前に。 数週間前の自分に言ってやりたい。 バカな勝負は受けるなと。 自分の首を締めるだけだと。 でもあの時はまだ知らなかったんだ。 あの笑顔に隠れた奴の素顔も本性も、本当の目的も。 そして.....今後どうなるかも。 今思えば、多分あの笑顔は笑ってない笑顔だった。 策にハマる俺を見て、笑顔の裏でニヤッと笑ってたんだろう。 .....獲物が罠にかかった、と。 しかしそれを俺は見破ることができなかった。 こうしてまんまと彼の思惑通りの策に引っかかった俺は、この数分後、見事に痛い目をみる。 そしてこれから先も。 ずっと。