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ゲームの時間 01
それじゃあ決まりだ、と頷く大神を見てふと思い出す。
そういえば何も聞いてない。
内容も、勝敗の決めかたも、負けた場合のことも。
そう考え出した途端に冷や汗が背中を伝った。
「それじゃあゲームの内容だけど.....」
「ちょ、ちょっと待って!やっぱ辞.....」
「辞めるとか、今更なしだからな?」
「っ....!」
辞める。
そう続けるつもりだった言葉が、有無を言わさない圧力によって喉の奥へ押し返される。
彼の瞳の奥が一瞬ギラッと光ったような錯覚を覚える。
((なんなんだよ、さっきまでへらへら笑ってたくせに...っ))
そんなことを思いつつも、いきなり感じた威圧感に俺は口をつぐむしかない。
「ゲームの内容はその紙に書いてある通り」
黙り込んだ俺を見て、1枚の紙切れを手渡す大神。
「.....なに....これ。わけわかんねーんだけど」
「書いてるまんまの意味だ」
「......いや....だって.....」
紙に書いてあったのは短く簡潔な一文。
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