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酒は魔物だ!!

【 チュン  チュン  チュン 】  今朝もかわいく雀が鳴いている。  背中があったかくて気持ちいい……まだ醒めたくない。  目が覚めたくない時にかぎって覚醒に引きずられるよね。部屋の中が明るいから朝なのかな。今何時ころだろう。なんだか景色が違うな、俺の部屋の天井には模様はない。  ここどこ?  頭が痛い。昨日コンパで飲んで、のんで……呑んだ。20歳で記憶をなくしていたら、50代になったらどうすんだ俺。  あ~なんだ、ここコウタロウの部屋じゃん。もうちょっと寝よう。  ガバっ!  普通ではない感触に跳ね起きたら……素っ裸だった。恐る恐る横を見ると、コウタロウがスヤスヤ寝ている。相変わらず可愛い。  しかし俺は見つけてしまった。首筋や鎖骨に赤いしるしが散らばっている。  さっきから感じる不快感……あちこちカピカピしてる!そしてこのケダルイ下半身の重さ。床には盛大にぶちまけられた服と、オリ一ブオイルのビン  ああ……ええと……ええと……エエト???  この状況証拠だけでも有罪は確定。どうやら、こともあろうに俺はコウタロウとイタしてしまったらしい。よりによってコウタロウと!おまけに全然覚えていない!  俺は完全にパニックになって頭を抱えた。よりによって、なんでコウタロウなんだよ!酒は魔物だ!  俺はとにかくあたふたしていたから、隣でコウタロウが目覚めたことに気がつかなかった。 「ん、あ、さと、おはよ」  びくんとして振り向くと寝ぼけた顔のコウタロウが俺をみている。  あ~ひさしぶりのコウタロウの寝起き顔!やっぱり可愛い。コウタロウの目が瞬き、盛大に顔が赤くなった。  うわ~やめてくれ、赤くなるな!これはいけない。ダメダメダメ!これは間違いだったってことを言わなくちゃ。  俺は必死に考えた。とにかくこの場を収めるには何か言わなくては!無い頭を駆使して繰り出した言葉→「ごめん、コウタロウ。俺お前じゃないヤツと間違ったんだ」  ……し一ん……  間違いだったということを言いたいのに、パニクった俺はとんでもなく間違ってコウタロウに口走ってしまった(俺はアホか!)  コウタロウはどうしていいのかわからないといった顔で俺を見ている。そりゃそうだ、俺だってどうしていいのかわからない。ここから逃げなくちゃ、とにかく俺の家に帰ろう。帰るぞ俺!  ベッドからすべりおり、床にぶちまけられた衣類の中から自分の服をひっつかむ。カピカピやトロトロやらなにやらで、すぐにでもシャワ一を浴びたいところだが、今はそんな場合じゃない。 「ちょっと、さと。間違ったって誰と?」  かすれた声が背後から聞こえる。誰って……誰というか、コウタロウ~お前とのことが間違いなんだよ(言えない) 「いや、まあ、その、色々か……な」(俺ってかなりバカだ) 「さと、シャワ一浴びたほうがいいよ。うわ~シ一ツも汚れてる。ねえ、オリ一ブオイルって洗濯したらおちるかな?」  お願いだから~やめてくれ。ケツやらあちこち汚いのは俺だって重々承知してます! 「なんで、オリ一ブオイルなんだよ」  なんだか泣きたい気分だよ!スペインのオリーブ農家さんごめんなさい。 「その……ローションとか僕持ってなくて。さとが油とかすべるものがいいって言うから。サラダ油よりオリ一ブオイルのほうが身体に優しいと思ったんだけど」 「コウタロウ、わ、悪かったな。色々すまん!」  これ以上何も聞きたくないってか、まったく覚えのない昨晩の俺!いったい何やってんだよ!俺はコウタロウの部屋から逃げ出した。

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