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出逢い 9

「はぁ…1口でいいから」 スプーンで1口分掬い、無理やり口に突っ込む。 「…んぅ…」 飲み込んだのを確認して、すかさずもう1口突っ込む。 「ちょっ…1口って…」 「いいから食え馬鹿」 そして飲み込んだのを確認して、再び1口突っ込む。 それを繰り返すうちに、皿の中身は完食されていた。 「よし、寝ろ」 食器を持って立ち上がると。 「…なんだ」 俺の服の裾を握った翠が。 「一緒に寝よ…」 「っ…後で行く。先に寝てろ」 翠はまるで猫のようだ。1日中寝て、好きな時に 遊んで。 それでもってたまに甘える。 いつもは何事にも無関心ですみたいな顔を貫くくせに、たまに出るデレはなんだ。 俺の気持ちは、里親なんてものじゃなくて… 「手のかかる子猫を飼ってるみたいだ…」 哀愁漂う溜息が出たのは何故だろうか。

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