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安堵⑩

完全に理性の飛んだ俺と、俺の発情期(ヒート)に煽られ理性をなくした継は、本能のままに、お互いを貪り合い、求め、求められ、ただ愛し合った。 数え切れないくらい中出しされ、うなじを噛まれ、イきっ放しの身体も心も、壊れてどうにかなりそうだった。 それなのに、まだほしい、もっとほしい と、継を強請る俺がいた。 俺の身体には無数の赤い花びらと、継の歯型が散らばり、血が滲んでいるところもあった。 部屋は振り撒かれるフェロモンで充満し、乱れたシーツや布団はぐちゃぐちゃで、それでもなお、昼となく夜となく、獣のように交わり続ける。 もう、声は掠れて出なくなり、喉からはひゅうひゅうと風を切るような音が鳴るだけ。 身体はもうぐったりとして自分では動かすこともできないくらいになっているが、継の求めに応じて、嬉々として受け入れていた。 そして…一週間後… たっぷりと愛されて続け、死んだように眠っていた俺は、頬や額に当たる、柔らかな感触で目を覚ました。 「…継?」 掠れた声に愛おしい夫がキスしながら答える。 「詩音、目が覚めたか?おはよう…」 発情期(ヒート)が終わった俺は、意識のないままバスルームで身体を綺麗にしてもらい、美しく設えられた寝室へと運ばれていた。 「…ごめんなさい…あんなになって…」 乱れに乱れた痴態の記憶が朧げに蘇り、恥ずかしさの余り布団に潜り込んだ。 「大歓迎だ!俺の前でだけ乱れて啼け、詩音。」 無理矢理布団から引き摺り出されて抱きしめられ、無数のキスの嵐を降らせてくる暴君を 目を閉じて素直に受け入れる俺は、これ以上ない程の幸せな気分で一杯だった。

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