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快楽への解放①

side :詩音 あ…っ…やだっ…そこ、むず痒い… 緩い電気を流されているみたいに、びりびりとそこから身体中に気持ち良さが伝染していく。 今、継に後ろから抱かれている… そしてそのまま乳首を弄られている。 こんなところ、女じゃあるまいし、感じる部分ではないとずっと思っていた。 継に抱かれてからは…そこは俺を快楽に導く場所に変わった。 継は巧みにそこを捻ったり、引っ張ったり、押し込んだり、引っ掻いたり… あらゆる手業で俺を堕としにかかる。 「気持ちいいならそう言ってくれ。 もっとヨクしてやるから。」 揶揄いのない、情欲を帯びた声音が耳元で響く。 継も俺を触って感じている。 声が、肌が、匂いが…俺を真摯に求めているのがわかる。 俺は…今までの俺とは違う… 快楽にも素直になっていいんだ。 「…継…気持ちいいです…もっと、もっと…触って…」 継が、ごくりと唾を飲み込むのと、俺の足の間の楔が ぐっと大きくなったのを感じた。 「詩音、いい子だ…よく言えたな… ご褒美をやるから、思うまま声を出してくれ…」 継は両手で腰を掴むと、前後に腰を動かし始めた。 「あっ!」 薄い皮の上っ面をぬめった切っ先が滑っていく。 いつもの挿入とは違うそのもどかしさに、全身の毛穴がぶわっと開いた。 腰を掴まれてはいたが、激しくなる抽挿に膝がシーツを滑り前へ押されていく。 それを幾度となく抱えて戻されては、また継の剛直の熱に浮かされていく。 「詩音…どうだ?気持ちイイか? 俺はめちゃくちゃイイぞ!」 「…はっ…んっ…継っ……気持ちイイっ! 乳首、乳首も触ってっ!」 俺の中で何かが弾けて、思わず口走っていた。

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