364 / 829

捕食⑤

舌舐めずりをする継の顔に、匂いに、どきりとする。 怖い…とは思わない。 むしろ『もっとほしい』とさえ思っている。 あんなに奥に受け止めたというのに、更に奥を強請る、はしたない俺がいる。 お腹の奥から じんじんと甘痒い痺れが走って、思わず身を捩りそうになっている。 揺れる先端からは甘い愛液が滴り落ち、仄暗い照明を浴びて煌めいていた。 継の手が、するりと俺自身にのびた。 「ああっ」 そこからピリリと快感が全身を突き抜けて、身体がしなる。 浮いた背中を抱きとめられ、繋がりが深くなった。 「あっ…継、継っ」 継は器用に腰を振りながら、俺の先端を親指で抉り扱いていく。 瞬時に膨れ上がったそこは、ひとたまりもなく継の手の中に白濁の液を吐き出した。 「俺より先にイったのか。 悪い子…後でお仕置きしなきゃな…」 はあはあと大きく息をつく俺に見せつけるように、継は右手の愛液をゆっくりと舐め始めた。 「…そんな…そんなもの、舐めないで!」 継は ふふん と鼻で笑うと、膝裏を抱えて俺の足を大きく割った。 片手を伸ばして枕を掴むと、俺の腰の下に滑り込ませた。 大股開きになった上に、腰が持ち上がった格好になり、繋がった所が丸見えになっている。 その部分をつーっとなぞられて、思わず力が入ったのだろう、継が「うっ」と呻いた。 「詩音、力を抜いて…千切られそうだ…少し緩めて…」 そんなことできないと、無言でふるふると首を振ると、きゅっと乳首を捻られた。 「はぁっ」 胸の赤い粒は、継の指で今にも摘まれていきそうで。 少しの刺激でも感じるようになったその部分を執拗に弄られる。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!