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第41話
それから結は何か吹っ切れたようにしたいことや、してほしいことを言ってきた。
いつも通りのゆっくりした口調なのに今までにないくらいの勢いで話す結はなんだかいつもよりテンションが高く楽しそうだった。
結は今までどこで何を思ってきたか、何が楽しかったか悲しかったか色々なことを教えてくれて俺がこれから結としたいことを話し始めると結も止まらなくなったように色々なことを話し始めた。
お互いそれが楽しくてなかなか話が止まらず夜中まで話してしまっていた。
「お前は俺があの時アパートに来ててよかったと思ってくれてるか?」
もしかしたら結はあの時もっと違ういい人が見つけてくれていたかもしれなかった。
あの時結は自分から部屋の外へ出て来ようとしていたんだ、俺じゃなくたってこいつを保護できた奴はいっぱいいたはずで、俺じゃなかったほうがいい生活ができていたかもしれない。
本当に全て“もしかしたら”の話でもっと悪い生活が待っていた可能性もあるわけだが・・・
「ぼく、あかが外で待っててくれて、よかった・・・あかじゃなかったら、ぼく、こんなに暖かい・・・知らなかった・・・」
「・・・俺も、お前があの場にいてくれてよかったよ。お前と出会えて本当に感謝してる」
「ぼくもぉ・・・」
結は泣きながら俺にまた抱きついてきて俺たちはそれから数十分また抱き合ったまま過ごした。
俺はこんな仕事してるからいつまでお前を抱きしめていられるか分からない。
今は分からないかもしれないけどきっと分かってしまう時がくる。
俺はそれが分かっているけど、こいつはいつ分かってしまうんだろう。
俺はそれが一番怖いんだよ。
だからな、結、
お前はいつまでも俺のそばを離れないでいてほしい。
俺がいつまでも守っていてやるから・・・
俺はそう願いながら、この腕の中にある暖かい存在を抱きしめながら誓った。
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