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Lv.50筑波健人

あんなに優しく、激しく揺すられて、心も身体も溶かされた。 男が男に抱かれるなんて有り得ないと思っていたけれど、やはり宗太は特別だ。 また触れられたい。奥まで突かれて揺さぶられたい。 そんなことを思うまでに健人の心は宗太で膨らんでいた。 翌朝健人は、想像以上に重怠い体を引き摺るようにして学園へ向かった。 心は満たされふわふわとした状態だったが、腰の痛みと身体の怠さが、宗太とシたという生々しい現実を突きつける。 学園に着くと昇降口の入り口に宗太が壁に凭れて立っていた。 宗太は健人を見つけると、すぐに駆け寄ってきた。 「健人、ふらついてねぇ?無理して来たんじゃねーのか?」 開口一番、自分を心配する言葉をかけられ健人は嬉しくて微笑んだ。 「おはよ。身体なら大丈夫。今日は体育とかないし、大人しく過ごしとく」 「ならいいが、帰るんだったら連絡しろよ。送るから」 「うん、ありがとう。それより俺を待ってた?」 自分より早く学園にいるなんて何だかおかしい。 健人はそう思い、同時に何かあったのだろうかと不安が胸を過る。 「ああ。昨日無茶しちまったし身体ぶっ壊してねぇか気になったのと、それとは別に話しておきたいことがあって」 「見ての通り俺は元気だけど。それとはまた別の話?」 「あぁ。昼飯ん時でいい。屋上きてくれ」 宗太の表情はいつになく真面目で、健人は黙って頷いた。 昼休み、健人はダッフルコートを羽織りマフラーを巻いていつものように屋上へ向かった。 階段を上がり扉を開けると冷たい風がひゅうっと体の周りを吹き抜けた。 やっぱりこの時期の屋上は寒い。中庭でも良かったんじゃないかと思ったが、宗太は恐らく他者に聞かれては困る話をするつもりだ。 マフラー巻いてきて良かった。 健人は首に緩く巻き付けたウールのマフラーに口元を埋めた。 「健人」 「あ、お前ら……」 宗太が健人に呼び掛ける。 そこには居たのはいつもと少し違う顔ぶれだった。 宗太をはじめ、神戸、和也、それから何故かそこに黒川までいたのだ。 きょとんとしている健人の側まで宗太は歩みより、健人の膝の裏に手を掛けて反対の手を脇に差し込み、横抱きで健人を持ち上げた。 「う、わあっ……」 急にふわりと体が浮いたものだから、健人は驚き声を上げた。 「体大丈夫か?」 「大丈夫だって!それより、これ、恥ずかしいんだけどっ……!下ろせよっ」 「ダメだ」 宗太はそう一言だけ言ってそのまま神戸達が居る場所まで健人を抱いたまま移動した。 「これで全員?」 「そうだな。会長、副会長、書記2名に会計2名。1人足りないけどどこから引っ張ってくる?」 神戸の問いに和也が指を下りながら返事する。 「前任の2年か1年か」 会長?副会長?……何の話だろう。 健人はさっぱり理解出来ず顔をしかめた。

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