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第99話

「新谷君」 先ほどの揶揄するような声音とは違う、真剣なものだ。 新谷くんもそれを感じたのか今度は圭史さんの方を見た。 「あなた昼間の方ですよね。帷さんと知り合いだって言ってましたけど…」 どういう関係なのかと聞く新谷くんに、圭史さんは鼻で笑った。 「見ての通りだが?」 その答えに新谷くんは肩を震わせた。 「……昔から帷さんにこんなことをさせていたってことですか?」 その言葉を聞いた途端、圭史さんは視線を再び僕に戻した。 「玲。彼はお前の騎士にはなり得ないみたいだな」 「…っ」 圭史さんはきっと分かっていたんだ。 うぬぼれかもしれないけど、僕のことを彼はよく知っている。 「どういう意味ですか」 新谷くんの問いに、僕は震える。 それを感じたのか圭史さんが僕を抱く腕に力を込めた。

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