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第102話
霞のかかった僕の記憶と身体は、
この甘く芳る男の汗の匂いをひどく欲しがり、曝け出された肌に触る畳の目地の隙間に立てた爪の痛みを思い出すと、
夢の中の男の顔がやけにリアルに浮かび上がる。
そして、今、瞳に映るその前の人。
ハッとした瞬間に、
無情にも幸人さんの掌が性器の奥深くまで挿し込まれていたマドラーごと僕のそれを扱いた。
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