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第159話
僕は圭史さんに戸惑った視線を向けるけど、圭史さんはやめるどころか余計に僕の頭を押さえつける力と股間を踏みつける力を増す。涼しい顔で。
それは僕の意思を無視するという意思表示なのだろう、でも分かったのはそれだけだ。圭史さんは何を考えている?
その時コンコンと扉がノックされた。緊張がピークに達する。
圭史さんを伺うけれど、彼は返事をする様子がない。
もう一度、扉がノックされる。
僕は圭史さんにもう一度視線をやろうとして、でも外から聞こえてきた声に思考が停止した。
「――玲?」
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