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第158話

――コツ、コツ… 近づいてくる足音は途切れることがない。 個室は他に二つあって、僕たちがいるのは真ん中。 足音は手前の個室に差し掛かったところでゆっくりになった。 そのまま、気付かずにそこを利用して、そのまま去ってくれ。 そう思ったのだけど…、 コツ…コツ… 音の主は歩みを進め、そして、 コツ…―― (――――!) 僕たちのいる個室の前で足を止めた。

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