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第57話
「まあ、お前が来るなら、新谷くんとやらはどうでもいいよ。
こっちとしても邪魔が入らない方がいいしな」
南雲さんはそう言うと、ふっと視線を下げた。
「なんだ玲、お前もう完全に萎えてるじゃないか。
どっちみち、これ以上は無理だな」
南雲さんの言う通り、スラックスの中身は完全に元の状態に戻っていた。
とはいえ、南雲さんの手で与えられた熱は、まだ完全には引きそうにはなかったが。
「スマホ貸せよ。連絡先交換するから」
南雲さんにそう言われ、僕はスマホのロックを解除して南雲さんに渡した。
南雲さんがスマホを操作している間に、少し乱れた服を整える。
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