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第7話葛藤

舌がヌルりと 後孔内部を犯す。 「あっ……ァッ……ぁぁあ」 こんな事あの人にもされた事ない。 離そうと手を伸ばすけど届かない。 僕は腰をくねらせ、 本能的に逃げるが、 楓はそれを許さず、 ズルっと戻され、丹念に舐めあげた。 「あん……ァッ……ふぁぁっ……」 僕の身体はシーツの上で 弓なりになり、 頭の中を駆け巡る。 僕に触れる手の感触も キスも何もかもあの人と違う。 比べてはいけない。 頭では分かっていても あの人の存在が────、 感触が消えてくれない。 頭をぐるぐる巡る中で、 いつの間にか、楓の長い指が 僕の中に挿入(はい)ってきた。 「あっ……ァッぁぁあ」 まるで弱い箇所を知っているかのように、 前立腺をぐいっと指の腹で擦られ、 僕は声を抑えられない。 「ひゃぁぁあああっ……」 楓は僕の内部を、 解しながらズブズブと掻き回し、 指が2本3本と増えていく。 「あん……はっあん……ぁっ……ァァッ」 やっぱり中で感じる感触も違う。 なのに感じてしまうこの身体は ただの淫乱なのか────、 それとも────本当は 誰でもいいのか………………。 救いようのない感情と 快楽に僕の瞳からは涙が零れた。 「アラン…………感情は殺さなくていい、 アイツがいいならそれでもいいよ だけど、素直に感じて? 今夜だけ────俺の腕の中で」 楓はそう囁くと、 指を僕の中から引き抜いた。

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