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第33話
約3時間後 ――
やっと警察での事情聴取から開放された倫太朗は、
柊二の秘書・矢吹の運転で柊二と共に後部座席に
座りマンションに向かっていた。
倫太朗の痛々しく真っ赤になった頬を、
柊二が優しく撫でる。
ピクンッと倫太朗の体が反応をして、
違う意味で頬が赤くなった。
「まだ痛むか?」
「ううん、も、かなり大丈夫」
「何にしても、迫田の件が片付いて良かった……」
柊二は倫太朗の肩にもたれて目を瞑る。
「今日は*時まで田中さんのオペだったんでしょ?
無理して来てくれなくても良かったのに……」
「迷惑、だったか?」
そう言う柊二の頭を倫太朗はそうっと
自分の膝に乗せた。
そして柊二が瞼を閉じた顔を見ながら髪を撫でる。
「ううん、そんなワケないじゃん。
すっごく嬉しかったよ」
そんな2人のラブラブな姿を矢吹は
バックミラー越しに見て微笑み、ほんの少し
車の速度を落とした。
*** *** ***
「―― あ……しゅうじぃ」
柊二はベッドの上で倫太朗のおでこや頬に
数多のキスを落とす。
ローブの肩をスルッと落とすと、
所どころ小さな内出血になっていて赤黒く
なっている。
「痛そうだ」
そう言って舌でその部分を舐めあげる。
「ンはっ……」
倫太朗はゾクンッとし身を捩った。
「こっちはどうかなぁ~」
そう言って思いっきりローブをはだけ、
一気にブリーフも下ろした。
「やっ。柊二」
片足を高く上げられ、
太腿の内側に柊二の舌が這う。
「倫太朗のすべてが丸見えだ」
「ん、もーう…… あ、ぁ……」
そう言って柊二から逃げようと背中を向ける
倫太朗の肩を押さえ、そこへも数多のキスを。
「んあっ」
「覚悟しろ、今夜は寝かせてやれそうにない」
「今夜は、じゃなくて、今夜もの間違いじゃん……」
柊二の大きくなったモノが倫太朗のお尻に
グリグリと当たっている。
(すごく大きくなってる……)
「あ……」
「あー? そうだったかぁ?」
倫太朗を仰向けにして唇にキス。
「あ ―― は……」
互いに舌を絡め合う。
柊二の手指が下に降り、
親指と中指でキュッと乳首を摘まんだ。
ピクンとなる倫太朗。
その先っちょを人差し指の爪で引っ掻くと
ビクンビクンっと電気が走った。
「あんっ やっ」
「もう、すっげー固くなってるぞ?」
「柊二が触るから……はぁっ。疲れてたハズじゃあ」
「倫太朗の膝でたーっぷり充電した」
柊二の唇が首筋から順に降りて来て、
固くなったその場所に触れる。
「ん……柊二」
チュッと吸いつきそのままさらに下の方へ ――
へそをクルクルと舌でなぞり、
下腹を通りヒクンヒクンと持ちあがる倫太朗の
……を咥えこんだ。
「ンっ、柊二 ――」
手で扱きながら吸い上げる。
「だ ―― めっ。ああん」
手で隠そうとするのを阻止してさらに吸い上げた。
「イっちゃ……、あぁ……っ!」
柊二はイク寸前に口を離した。
「う……そ」
(イキたいのにぃ……)
柊二はそそり立つ倫太朗のモノには手を触れずに
後の……を舐めあげた。
「あぁっ」
舌に唾をたっぷりのせ、その場所をほぐしていく。
(イキたい)
倫太朗は自分の手をそこに伸ばした。
柊二にその手を払いのけられる。
ヒクンヒクンと脈をうち先端からは透明な液体を
滲ませている。
苦しそうな倫太朗の表情に柊二の指が
そこに呑み込まれていく。
「あはぁっ」
入口の壁を指の腹で擦りあげる柊二。
「あ ―― ふ……はぁ はぁ……」
倫太朗のいい場所を攻めるとトロトロと
その先端から白い体液が溢れだした。
「柊二。もうや……早く頂戴っ!」
「なにをだ?」
「い……いけず」
倫太朗が頬を赤らめると柊二は指を引き抜いた。
倫太朗の体を引きよせて足をグイッと折り曲げる。
そして倫太朗の顔を見つめながら蕾に固いモノを
押し付けた。
「欲しいのはこれか?」
倫太朗は赤くなりながら小さく頷いた。
「力、そのまま抜いてろよ……」
そう言ってグググッと入ってきた。
「んあっ」
倫太朗は散々じらされていたせいか、
入れられただけで射精してしまった。
恥ずかしさにギュウっと瞼を閉じた。
柊二はフッと笑ってそのまま倫太朗のナカを
突き上げる。
「や ―― あ……あああっ」
次の絶頂は直ぐにきた ――
しかもそれは、倫太朗自身初体験の
ドライオーガズム ―― 男性における射精を
伴わない性的興奮の絶頂(オーガズム)の事で。
断続的に締め上げる倫太朗のナカに耐え切れず
柊二も ――
「う”……くしょ~う……もってかれた……」
「……しゅうじ?」
「ん?」
「……だーいすき」
(あぁ、オレのオンリーワンはお前だけだ、
倫太朗)
らぶらぶエッチの後のピロートーク。
「―― なぁ倫、オレのわがまま聞いて欲しい」
「なんだろなぁ~。柊二のわがままなんて珍しいから
俺、何でも聞いてやる」
「オイオイ、”何でも”なんて言葉軽々しく使うなよ。
もし、絶対実現不可能な事だったらどうする気
なんだ?」
「”聞いてやる” って言っただけで ”叶えてやる”
とは言ってない」
「……ほんなら、是非、叶えて欲しいな」
と、言って、柊二は半身を起こしベッド
下に投げ出された自分のバッグの中から、
四つ葉のクローバーのキーホルダーが付いた、
何処かの部屋のカードキーを俺に差し出した。
「?……」
「先月の今頃だったよな? 豊洲のタワーマンション
内覧に行ったの」
俺は”まさか……”と、
考えながら『うん』って返事をした。
「あそこ、買った」
”まさか”が、的中。
「えっ ―― って、あそこ、
税込み1億2千万もするのにっ」
「このカギ受け取れ、倫。
オレと一緒にあそこで暮らして欲しい」
「……」
「ダメ、か?」
って、柊二が俺の顔を自分の方へ向け、
じっと見つめる。
俺の大・大・大好きなダークブラウンの瞳で。
ちょっ、だ、だめ ―― その目ぇ弱いんだ……。
「……ありがと、柊二……俺、めっちゃ甘えるからね」
「おぉ、ど~んと来いや」
それから、2人抱き合って、
交わされた口付けは今まで交わした
どんなキスより、
蕩けるように甘い・甘いキスだった……。
*** *** ***
次に目が覚めたのは、夕方で。
まくら元に柊二の書いたメモが置かれていた。
”ごめん m(__)m
ひとつ仕事絡みのパーティーがあったのを
うっかり忘れていた。
恐らく今夜は帰れない。
1人で寂しかったら国枝の家へでも
行くといい。~ 柊二 ”
そっかぁ、仕事じゃ仕方ないけど……
ちょっと寂しい。
どうせだからここで一気に引っ越しの荷造りを
片付けようと、重い腰を上げたけど。
柊二のメモにもあった ”パーティー”という
ワードで、俺も思い出した。
後期研修に入って初めて受け持った患者さん・
京極彩乃ちゃんから、とあるレセプションに
招かれていたんだ。
まさか、柊二と同じパーティーじゃないよねぇ。
なんて、お気楽に考えながら帰り支度をまとめ。
とりあえず、パーティー用のダークスーツに
着替える為、自分のアパートへ帰った。
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