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第233話

しばらく寝かせてたけど、少し冷えてきた ライトを背負って、資料室を出た 軽いな ライトは………… 「吹雪」 「起きたのか。ライト」 「えっと……」 「しばらく寝かせてたんだけど、 夕方になって、冷えてきたから」 「そ、そう……ありがとう。 でも、恥ずかしいから降ろして」 降ろしたけどフラフラしてる 「……ライト。俺、お前との事、 隠したりしたくないんだけど」 「え…………?だ、誰に? 先生やルイト?拓海?」 お前を好きな事は、 嵐達には自分から言っちゃったし、 拓海にもバレてる 「嵐と拓海はもちろんだけど、 サークルとか、クラスとか、大学関係」 「な、なんで…………男同士なんだ。 何を言われるか…………」 ライト、すごいビックリしてる でも、変な虫がつかないよう、 手を打たせてもらう 「お前以外にどう思われたっていいよ。 コソコソしたくないし…… それにライト、モテるから牽制しときたい。 でも、お前が嫌ならやめる…………」 あ……ライト、真っ赤…… ヤキモチなんて、格好悪い、 そう思ってたけど満更じゃなさそう………… 俺が好きだから? それなら嬉しい………… 「後ろ指さされて誰もいなくなるかも」 「お前と二人きりなら、それもいい」 …………ライト、照れてる 可愛すぎ…… ちゅ…… つい可愛くて、キスしてしまった 「ちょ……!ここ、外!」 「ごめん。 ライトがあまりに可愛い顔してるから」 今まで、ずっと悲しい思いをさせてきたんだ ちゃんと伝えよう 俺の気持ち 「ねぇ。言ってもいい?ライト」 髪をすっと撫でる 「……うん」 恥ずかしそうに頷くライトを見つめる フワフワした気持ちで二人で一緒に帰った 「ライト!」 帰る途中、駅の階段の下から呼び止められた 拓海…… アイツには誰かから伝わるより、 本人にちゃんと話したい 多分、お前の事……本気だったから…… 「…………ライト。今、言ってもいい? サークルは新年会で言うとして、 拓海には先に伝えたい。 お前、告白されてるし、他から伝わるよりは、 ちゃんと本人に報告した方がいいだろ」 「そうだね……」 階段を上がってきた拓海は、 俺達を見てホッとした表情になった 「ライト。吹雪。 お前ら、やっと仲直りしたのか。 大学生にもなってケンカとか、やめろよ」 心配してくれてたのか 良い奴すぎるだろ 俺とライトが揉めてた方が自分に有利なのに そんな計算しないか それが拓海だ………… 「拓海。俺、ライトに告白して、 付き合うことになった」 拓海を見つめて伝えた 「そう」 拓海は、そう驚く事もなく答えた 「…………ごめん。拓海。 お前の気持ち、受け取れなくて 吹雪が好きなんだ…………」 ライトがはっきり言ってくれて、 胸がギュッとなった 「……そんな事、知ってるよ。 あまりライトを泣かせてると、 逃げられるぞ。吹雪。    ……良かったな。ライト…………」  例えば、逆の立場で、 こんな事、言えるだろうか 言えないな 俺はライトを傷つけてばかりだった 拓海は最後まで優しかった でも、傷付いた顔をしてた ちゃんとライトを大事にしよう こんな俺を選んでくれたんだ 誰よりも大切に………… 次の日には、ライトのスマホのケースに、 ライ□セーバーのキーホルダーがついてた ヒビが入ってる…… 聞いたら、ルイトが喧嘩して暴れた日、 テーブルから落ち、 ヒビが入ってしまったらしい …………そうだったのか 新しいのをゲーセンに取りに行こうと、 言ったら、 「これがいいんだ」って、 ライトはヒビの入ったキーホルダーを 幸せそうに握りしめた 冬休みに入り、バイトの時以外は、 ライトと一緒に過ごした いつも自分に自信がないライト たくさん抱きしめて、好きだと伝えた 優しい彼氏になりたい 言葉で態度で伝えたい 俺が大切にすればするほど、ライトは 可愛い顔をしたし、気持ちが返ってきた

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