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第13話

目が覚めたら、もう外が暗くなり始めてた 色んな場所がズキズキ痛いけど、 体は綺麗になってた 服も着てる…… ふと石鹸の匂いがした まさか、意識ない俺を風呂に連れて行って くれたのか…… 吹雪……まだ寝てる…… 眠ってる吹雪を見つめた 『ルイト…………』 そう言って、達したお前は どこか幸せそうだった 顔は見えなかったけど、意識を飛ばす前、 優しく抱きしめられたのを覚えてる 俺はルイトの代わりだ ………………分かってて始めた 胸を刺す痛みに、涙があふれそうになる 乱暴な口調とは、裏腹な 優しいキス、温かい抱擁…… 頭の中で、ルイトを抱いてたんだ………… これは……予想以上にキツイな…… こみ上げる涙をグッと堪える お前はアイツにそっくりの俺を抱いた 俺はお前の体だけ、手に入れた……… ………お前との初めてのセックスは、 温かくて、幸せだった だけど 泣きそうになる位、胸が痛い…………

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