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俺と電話の男《2》side初瑪

「昨日は、りぃにジュースをくださってありがとうございました」 本題に入る。 「いえいえこちらこそ。篠宮くんが喜んでくれたならこっちも一石二鳥なので」 「はい。おかげで俺もりぃも楽しかったです」 「……楽しかったって?」 やはり男はその言葉に食いついた。 「そのままの意味ですが?」 「うん、そうだよね。ごめんね長話ちゃって!じゃあ、篠宮くんまた近々打ち合わせするから!」 「あ、はいっ!」 その男は帰り際に一瞬、俺を消し去りたいようなそんな黒い目をして俺を見た。 「アイツだな……」 「え?」 りぃは席につき、自分のハンバーガーの包を開けながら俺に尋ねた。 え?もなにもないだろう。この馬鹿が! 「りぃ、次にアイツに会う予定はいつだ」 「アイツって佐々木さん?」 「それ以外に誰がいるっていうんだ」 たぶん次にアイツがりぃに会うときは何かしらやらかしてくるはずだ。 「りぃ、次にアイツに会う予定はいつだ」 「アイツって佐々木さん?」 「それ以外に誰がいるっていうんだ」 さっきの俺との会話でりぃが媚薬を飲んで、俺に何かしらしてもらったのはわかったはずだからな。今更、りぃが媚薬を飲んでいないという線は無いはずだ。アイツ自身も、りぃの欲情した声を聞いているのだから。 はぁ、ため息を吐く。 アイツも聞いていると事実に苛立ちを覚える。 アイツがりぃにわざと媚薬入りのジュースを飲ませたとわかった時と、先ほどりぃに向けたあの目。 『りぃは俺のだ』と……そう、思った。 「1ヶ月後だな。俺の家で打ち合わせがある」 りぃが予定を確認して俺にいう。 「せめて今週なら俺も居れたのだが……。1ヶ月後だと、もうりぃの家には入れないな」 「え?何で?別に俺っ家ならいつでも入れてあげるよ?俺しか住んでないしあの家」 「……お前は阿呆か?」 「ごめん、全く理解できない」 何もわかっていないりぃは、のんきにハンバーガーを美味しそうに頬張っている。

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