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エイプリルフール 1
エイプリルフール1
「譲...俺、理人と別れた」
「...えええ?!」
雪姫がすっっごい辛そうで泣きそうな顔してたから、どうした?って聞いたら、別れたって。
あんなにアツアツだったのに?(雪姫はめっちゃ嫌がってたけど)なにがどうしてそうなったんだ!
「え、、え、理由は?」
「...俺、自分で言うのもあれだけど......ほら、全然甘えないじゃん?それに嫌気がさしたって...」
雪姫はそれだけ言って、机に臥せってしまった。よく見れば、肩が震えている。
泣いてる、の?
「ちゃんと話、したの?」
「したよ...どうしてもかって聞いたら、もう無理だって......泣いて、いいかな」
ど、うやって慰めたらいいんだろう。だって先生、雪姫のこと愛してるとか言ってたのに...。
雪姫は机に臥せって、肩震わせて泣いて......。
「くっ、...ぷふっ...も、もう無理...っ」
ない。泣いてない、こいつ笑ってる。
「おい、雪姫」
「あはははは!おっかしい!まじで騙されるとか馬鹿だろ!あはははは!」
「どういうことだよ!!」
「譲!今日は何日だよ」
笑いすぎて目に涙を浮かべている雪姫が、黒板の日付を指さした。
4月1日×曜日。
...しがつ、ついたち。
「エイプリルフール、だ」
「ピンポンピンポーン!ゆずるくん、だいせーかい!」
「...雪姫ぃ?」
「こっわ!睨むなって、な?来年は騙せるようになれよー?それよりも騙されないようにならないとだめか!あははははっ」
そうだ、今日はエイプリルフールだった。ゆるさん、来年は絶対騙してやる!
このあと、先生を騙したいという雪姫が普通にバレて逆切れしてた。
fin
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