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エイプリルフール 2
エイプリルフール 2
「-で、結局嘘だった。酷いよね」
学校で雪姫に騙されたことを話した。いつもだったら笑ってくれるのに、朔は神妙な顔して「そうか」と生半可な返事を寄越しただけだった。
「?...どうしたの?」
「...ちょっとな」
そんな思いつめた表情で言われたら、気になる。
「悩み事?」
「......譲」
「なに?」
「別れようか」
なに言われたかわからなくて、ぱかっと口を開いたまま固まってしまった。
なんで?男だから?やっぱ嫌だった?男の体じゃ無理?世間的?まさか再婚?
色々考えちゃって、でも言葉には出来なくて、出たのは大粒の涙だった。
「?!」
「なん、っ、でぇっ...」
ぼろぼろと涙。朔は慌てて取り繕う。
「あ、あっ、う、嘘だから!落ち着け!」
「うそ...?別れない?」
「別れない、別れないから!」
抱きしめられても涙が止まらなくてえぐえぐと泣き続ける。
「エイプリルフール、だろ?」
朔はまさか泣かれるとは思ってなかったと苦笑いする。おれ、また騙されたんだと気づいて、急に仕返ししてやりたくなった。
「エイプリルフールなら...嘘ついて、いいんだよね」
「譲?」
このあと、おれは朔に大嫌いと言って部屋に篭城しました。
あ、でも大嫌いが嘘なら本音は大好きじゃん。
fin
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