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譲の嫌いなもの 3
譲の嫌いなもの 3
残るは...。
まさかと思いつつ自室を覗くと、ベットに膨らみが見えた。膨らみは雷が鳴る度に震えている。
譲、と声をかけ布団を捲れば泣き腫らしてもう枯れるんじゃないかってくらい枕にシミを作っている譲がいた。
抱き寄せ向かい合わせにし膝に乗せる。
「ごめん、遅くなった」
ふるふると首が振られる。
「おかえり、なさ...い」
出された声はガラガラに掠れていて、やっぱり泣き叫んでたかと苦笑する。
「ただいま...」
少しすると譲は落ち着いてきたようで、体を離した。
「...?」
譲の手には白いものが掴まれていた。
「それは、なに?」
聞くとぱっと体ごと避けられてしまった。隠したいもの、なのだろうか。
「だめ...」
「どうして?」
やんわりと聞けば観念したのか白いなにかを離してくれた。
「...これ」
それは白いシャツだった。俺が家で着ているシャツ。
「...匂いが...朔の匂いが、して...安心し、てた」
くっそ可愛い...と思わず破顔した。
「朔、雷聞きたくないから...キスして」
折角理性が働いてくれたというのに、その言葉で結局譲を押し倒すことになってしまった。
翌日恥ずかしさのあまり、譲に頭突きを食らわされたのはまた別の話。
fin
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