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譲の嫌いなもの 2

譲の嫌いなもの 2 雨脚が強くなってきていよいよ不安になる。 譲は雷が大の苦手だ。それも赤ん坊の頃からずっと。可愛いところといえばそれまでだが、ひどい時は不安定になり泣いてしまう可能性もある。 ......いや、もう泣いてるか。 予約の合間に時間を見つけ休憩室に立ち寄る。時間は6時半。まだ帰れそうな時間ではなくて眉を寄せる。 電話...した方がいいだろう。 〜プルルルル 〜おかけになった電話番号は、現在電源が切れているか電波の届かないところにあるため、おかけすることができません 数秒の電子音のあと、流れてきたアナウンスに固まる。 電源...?充電切れか。いつも早めに充電しろと言ってあるのに...譲は。...まぁ決めつけるのは良くない。この雷雨のせいで電波が届いていないこともありうるのだから。 「官乃木さーん」 「あ、はーい」 次の予約の人が来たようで、呼ばれる。とりあえず早めに帰れるようにしなければー。 意図せず早めに帰れることになった。客が雷雨の強さで外に出ることを断念、次の日に予定を回したのだ。 これで帰れる、と勢いで車に乗り帰ってきて一安心、と家に入ってみれば...譲がいなかった。 ただいま、と声をかければ飛んでくるかと思っていたのがはずれ、リビングを見たがいない。部屋に引きこもっているのか?と開けてみたがいない。 一応、物置になって入るが2階も見回るがいない。 ...洗面所、トイレ、風呂、ベランダ、庭。 探し回ってみがどこにも譲はいなかった。

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