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第31話 愛撫
知矢は兄に服を全て脱がされた。
そして兄もまた服を全て脱ぎ捨てる。
素肌と素肌が重なるのが心地よい。
愛する人の重みが知矢を安心させる。
兄の唇が知矢の耳の後ろから首筋へと這って行く。
ちょっぴりくすぐったくて、でもとても気持ちいい。
唇が鎖骨を通り、知矢の小さな乳首に吸い付いた途端、大きな快感が体中を駆け巡った。
「あ……や……」
甘く切ない声が零れる。
それが恥ずかしくて、知矢が両手で口を塞ぐと、典夫はさらに執拗に乳首を攻めて来た。
じっくりと舐め、舌で転がし、甘噛みすることを繰り返す。
知矢の体が小さく痙攣し始め、抑えきれない声が漏れる。
「んっ……あ……ああ……」
「知矢……かわいいな……、乳首、気持ちイイ……?」
「あっ……やだ……お兄ちゃん……」
生まれて初めて知る快感に知矢が体をくねらせ、感じ入っているあいだに、典夫の右手がそろそろと下腹部へと伸ばされる。
やがて右手は、乳首への刺激ですっかり昂った知矢自身へとたどり着き、やさしく握り込んだ。
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