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第52話 愛し合いたい④

「お兄ちゃんっ!! やだっ……やっ……」  兄の信じられない行為に、抵抗しようとしたが、やはり体に力が入ってくれない。  そうこうしているうちにも兄の舌はぬるりと更に奥へと入って来る。  羞恥、そして強い快感に掠れた声で叫んだ。 「お兄ちゃん、やめて……やだっ……」 「知矢、声……」  知矢は兄のパジャマを引き寄せ、それに思い切り噛みついて、激しすぎる気持ちよさに耐える。 「んっ……んぅ……ん……」  それでも完全には抑えきれない声。  たっぷりと唾液を滴らせた舌でじっくりとそこを愛され、知矢は快感のあまり、もうなにがなんだか分からなくなっていく。 「知矢……好きだよ……」  気づいたときには耳元で甘く兄に囁かれ、さんざん舌で舐めほぐされた小さなそこへ、固く大きな雄があてがわれていた。 「……お兄、ちゃん……」 「知矢……」  ゆっくりと兄の昂ぶりが入って来る。  たっぷりと舌で愛撫されせいか、痛みはほとんどなかった。  それどころが、兄の熱くて太い雄で体を貫かれて、すさまじいまでの快感が込み上げる。  知矢はパジャマを噛みしめ、シーツを両手で握りしめて、その気も狂わんばかりの気持ちよさに見悶えた。  典夫がゆっくりと動き出す。  バックの体位で、イイところを思い切り突かれて、気持ちよさのあまり気が遠くなる。  しかし、気を失いかけては、兄により強く深く突き上げられ、また快楽の只中に引きずり戻される。 「お兄ちゃん……、も、ダメ……ダメ……許して……あっ……」  知矢は透明に近い愛液をまき散らしながら、善がり狂う。 「知矢……知矢……愛してる……」  典夫が知矢の背中に重なるように伸し掛かって来て、結合がより深くなる。 「ひっ……」  知矢の体が大きくのけ反った。  兄は知矢の体を強く揺さぶり、体の奥深くで愛の証の液体を解き放った。

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