突き放すくらいなら 初めから優しくなんかしないで欲しかった 見つめているだけでよかった ただ同じ空間にいるだけでよかった 初めから諦めていた気持ちに 小さな小さな希望という名の明かりが灯った 小さく仄かに宿った灯火は やがて獰猛な焔となり あらゆるものを灼き尽くし そして消えた 降り止まぬ雨よ もしも願いが叶うなら あのあたたかな明かりの記憶をも 洗い流してはくれないだろうか 希望などなかったあの頃に 戻してはくれないだろうか