某ビッグユニットの曲「闇の雨」からイメージ。 遠距離恋愛の二人を想定して。 「そんなこんなも恋のうち」 （https://fujossy.jp/books/7771） 佐倉目線。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ずっと待ってたこの日が来たんだ 土砂降りに心沈んでる場合じゃない 世間が浮かれる金曜を 人々が弾ける土曜を 晴れの穏やかな日曜を 孤独に耐え ひたすら走り抜けて やっときた月曜日 仕事が終わるなりクルマを走らせた 朝になってから出るようにと言った きみの言葉は申し訳ないが却下だ 寝てなんて、いられるわけないだろう？ それともきみは違うのか？ こんなに待ち遠しいのは自分だけだろうか 明け方に突然訪れたらきみは怒るだろうか 念のため もう向かっているとだけ知らせておいたが 返信はなく その間もクルマは雨の中を走り続ける 忘れてしまいそうな きみの声やぬくもりを 早く 早く チャージしたい また僕をきみで満タンにしてくれ そして 何もかもかなぐり捨てて ひとつになろう 一時間ほど経ったが返信は来ず 寝てて当然の時間だったことを思い出す 待ち合わせの駅までまだまだある この時間なら 駅をさらに通り過ぎて家まで向かわないと 不思議と 眠気も空腹も感じない 感じるのはただひとつ きみを求めているということ そろそろ駅に近づいてきた頃 返信が来た 『もう駅にいるよ』 この七文字を見ただけで 全身が急に忙しなくなった 心臓・動悸・脈拍 静まれ 落ち着け いつの間にか雨は上がり 駅に着いた頃には 空には綺麗なオレンジ色が射し始めていた そして きみは立っている 誰もいない駅の改札前に とびきりの笑顔で