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episode6_4
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窓の外がうっすら明るくなり始めた時刻。
臣はベッドに腰掛け煙草を吹かしていた。思い切り煙を吸い込み、肺まで入れ薄くなった煙を溜息と一緒に吐き出した。
臣が振り返れば李央が静かに寝息を立ていてる。鼻につく精液の匂いが昨夜から今朝方まで続いた激しいセックスを物語っていた。
煽られるまま、八つ当たりのように何度も何度も李央の中を抉って中に射精した。
李央が気を失い、一人になった臣はまた後悔していた。
自分を抑えられなかった。
自分なら李央を救える。変えられる。
再会し、勝手に自負していた臣だったが、あの頃に躰に植え付けられた実の兄からの仕打ちはそう簡単に塗り替えられなかった。
『昔には戻れない…か』
もう一度煙草を吹かした臣は灰皿に押し消すとベッドに上がり李央の肩を叩いた。
『おい、起きろ。風呂に入るぞ』
『ん、ンン…』
怠そうに仰向けに寝返りをうった李央を抱きかかえた臣はバスルームに向かい、李央を洗ってやった。
『腰が立たないんですけど』
『自業自得だ』
『眩しい眠い』
シーツを取り替えたベッドに再び寝かせると李央は掛け布団を頭まで被り文句を垂れた。
『俺はもう出るから好きにしろ』
カーテンを閉め臣が寝室から出て行くと、遠くで玄関の鍵がかかる音がした。
『……最悪』
布団から顔出した李央は臣の出て行ったドアを見つめ呟いた。
激しいセックスの疲労がまたすぐに李央を深い眠りにつかせて、数時間後。
そろそろ日が落ちる頃、臣は帰宅したがリビングのテーブルに置いておいたスペアキーと共に李央の姿はもうなかった。
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