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おまけSS颯真×司
司side
電話を切り一息吐くと、
背後から腕が伸びてきて
優しく抱きしめられた。
俺はビクッと身を怯ますと
耳元で優しく囁かれる。
「電話終わった?」
その声は間違える筈もなく
俺は慌てて離れた。
「颯真……訊いてたのか?」
ムッとした顔で見つめると
颯真はやれやれとした様子で
もう一度俺を抱きしめる。
「ちょ………」
「久しぶりなんだから少しくらい
いいだろ?暁大丈夫か?」
俺の小さな抵抗も虚しく
颯真はギュッと俺を引き寄せた。
俺は呆れた様子で説明すると、
良かったとニッコリ微笑んだ。
分かってる。颯真も本当は
暁を心配してお見舞いに行きたいのを
我慢してる。颯真なりに邪魔しちゃ
悪いと遠慮してるんだろ。
「司、お前は大丈夫か?」
ふと見せる優しい眼差し。
不意打ちでドキッとしてしまう俺も
どうかと思うが。
「対処で忙しいの分かるけど、
お前まで倒れないでくれよ」
颯真はズルい。
いつも意地悪ばかり。
嫌だって事愉しむ癖に、
こんな時は優しいんだから。
戸惑ってる俺に颯真は
顔を近づけキスをする。
「ンッ……ンっん……だ……め」
「少しくらいいだろ?
全然お前に触れてない」
そう言って悲しい顔を
一瞬見せたと思えば、
口内へと舌が侵入し
あっという間に絡み付いてくる。
「んっ……ンっん……んっ……ふっ」
そんな顔されたら
抵抗できないじゃんか。
重なる度にピチャとやらしい音が
耳をつくけど、こうして
触れ合うのはいつぶりか……。
会社とは分かっていても
その甘い誘いに逃げる事は
出来ずに颯真のキスに溺れた。
おまけ~END~
第1章完
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