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第1章第29話
俺は食べていた手を止め
「暁の瞳って……
どっちが本当の色なの?」
初めて暁を見た時
その吸い込まれるような碧に
俺は強く惹かれた。
「あ~これ?」
そう言って暁は布巾で口を拭う。
今の暁の目は
色素の薄い茶色をしている。
「これはカラコン、僕の目は碧いの」
やっぱりそうなんだ。
その綺麗な顔立ちには碧い瞳のが映える。
「どうしてカラコンなんて?」
単純に綺麗だから勿体ないと思っただけ。
「碧だと目立つの……性別偽ってても
顔はバレてるし動くにはこの方が」
確かに言われればその通り。
今だって周りから複数の
視線を感じて落ち着かない。
多分暁はいつもこうなんだ。
モデルAKIとしてはバレてなくても
その容姿は人を惹き付ける。
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