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第1章第30話
なんとか会話しながら
俺達は食事を済ませると
暁はデザートなんて言いながら
幸せそうにケーキを食べてる。
本当……華奢な身体なのによく食べる。
「暁ってハーフ?」
さっきの会話の続き。
やっぱり知りたい。
口の中のケーキをごくんと
飲み込むとニッコリ微笑み
「うん、お母さんがフランス人」
ふ、フランス?てっきりアメリカかと……。
「だからこの茶髪も地毛なの」
なんだか妙に納得してしまう。
「じゃあ言葉も話せたり?」
「英語は授業もそうだし話せるけど
フランス語は少しだけ」
「へ~」
「フランス語は難しくて僕が
住んでたのはアメリカだし」
そう言って舌をチラと見せ
暁は笑って見せた。
か、可愛すぎる。
「あの……それから」
訊きたいことはまだ沢山ある。
そんな俺を見て暁はクスクス笑い
「あ、ごめんね、でも大和
さっきから質問ばっかり」
俺は身体カーッとが熱くなる。
好きな人の事はどんな
些細な情報も知りたい。
だけど少々焦りすぎたろうか?
「とりあえず出よっか」
「う、うん」
顔の火照りを気にしながらも
俺達は席を立った。
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