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第1話
時は江戸、遊郭が盛んな江戸の街
華やかなこの場所では遊女と戯れる男の姿が目に付く
そんな中とある花街 の一角に陰間茶屋 、所謂男娼である陰間の店があった
元々歌舞伎役者の卵を陰の間と呼び彼らが男娼も兼ねていた事からいつしか男娼を陰間と呼ぶようになった
江戸中期頃からは男娼を専門に扱う陰間茶屋が確立された
その陰間茶屋の華楼 と言う名の見世には白い色の陰間の少年がいた
珍しい色故にその少年を一目見ようと言う客は後を立たない
しかし、花魁程ではなくとも白色のしかも顔立ちも良く女性のように線の細い身体は美しくその少年の値はかなりのものだった
そして今宵も少年はその美しい身を殿方へと捧げる
客が待つ店の二階の部屋へ足を踏み入れると
外から差し込む月夜に照らされ白い肌が垣間見える
その白く長い四本の肢体を丁寧に折り叩頭する
「私 雪路 と申しまする
どうぞ、よしなに」
そっと顔を上げると月明かりに照らされた雪路の顔は目鼻立ちがくっきりしており
髪は白、と言うよりは金色と言ったほうが正しいだろう
しかしながら周りから見れば大雑把に白で
そして瞳の色は海の色をしており日本人離れしたその容姿が神秘的である
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