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第4章 プロローグ

 月が重なるように出会った俺達。  二人はようやく再会し、今、彼方へ向かう空の上にいる。  これから行く先……そこは俺達の歴史が生まれた地。  何度生まれ変わっても、襲い掛かってくる逃れられない運命。  何度も何度も……己の躰を無理矢理に奪われ、凌辱されるのは何故なのか。  こんな人生は嫌だ。  早く次の世に行きたい。  そう願い何度も何度も生まれ変わった。  いつも逃げていた。ひとりが怖くて……逃げて避けて閉じこもっていた。  この世が最後だ。  この悪縁を終わらせる最後の時だ。  今二人で向かっているあの異国の地で俺が向き合うもの。それが何だかまだわからない。だが怖くても逃げ出したくても、俺の横にはいつも丈がいてくれる。  俺はもう独りじゃない。丈がいるから、受け止める覚悟が出来た。  月輪のネックレスは今二人の胸に揃っている。  あの日欠けてしまった月輪を補うのは俺の心次第だ。俺の弱かった心が強くなることで補えるはずだ。その事に気付けたから、義父さんから逃れる勇気を持てた。  ──丈を愛している──  どんなに汚れても汚されても、丈が好きな気持ちは穢されない、邪魔されたくない。  その気持ちだけが、俺を奮い立たせてくれる。 ****  こんにちは。志生帆 海です。いつも私の拙いお話しを読んでくださってありがとうございます。いよいよ今日から第4章をスタートさせます♪ 第4章は別途連載しております『悲しい月』『月夜の湖』の二作と深くリンクしていきますので、もしよろしければ合わせてお読みいただけると嬉しいです。大変自分勝手な厚かましいお願いで失礼しました。

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