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贈り物 8
【R18】
「涼……俺……もう限界だ」
いよいよだ。そっと僕を抱く安志さんを見上げると熱く潤んだ目をしていた。潤滑剤が更に注ぎ足され、もうそこはぐちゅぐちゅに濡れていた。今は触られていない張り詰めたものからも、蜜がとろりと滴り落ちていた。
「脚、もう少し開けるか」
安志さんの手で太腿を掴まれ左右に更に大きく割られると、誰にも見せたことがない部分が丸見えになってしまった。
「うっ……」
羞恥に震え目をぎゅと閉じると、安志さんの先走りで濡れた先端が熱く疼く窄まりにつんっと触れたのが分かった。
「あっ」
初めての感覚に心が震える。こんな部分に僕は受け止めきれるだろうか。入口付近を掠めるように円を描くそこがもどかしい。入りそうで入らないように何度も擦られると、僕の内側がひくひくとしてくる。もどかしさで狂いそうだ。
「もっ……やだ。じらさないで……挿れて……」
気が付いた時には、自分から誘う声を出していた。
****
いよいよだ。今俺の腕の中には涼がいる。涼の裸体は想像よりも更に綺麗で目を見張った。均整のとれたスタイルの良さは服の上からも分かってはいたが、瑞々しい若さがもたらす肢体は本当に綺麗だ。スポーツが得意な涼らしく筋肉が程よくバランス良くついている。それでいて、滑らかでしなやかで……吸い付くようなきめ細やな肌だ。
同じ男なのに、涼はその美しい顔と同じ美しい躰を持っている。
そんな煌き、憧れ、眩しい涼が、今俺だけのために……こんな姿で躰を開いてくれていることに感動する。
初めてなんだ。俺も同性を抱くのは……涼を傷つけたくない。怖がらせたくない。その一心で最大限に優しく、ゆっくり事を進めてきたが、流石にもうそろそろ限界だ。
十八歳という若い涼の躰を、十歳も年上の男の俺なんかが奪っていいものか。さっきまで頭の片隅にあった迷いはもう投げ捨て、このまま涼を抱く。
もう止まらない。
湧き出る欲求と欲望。
俺もただの人間なんだ。
もう逆らえない。
この自然な気持ちに。
好きだ。
俺は涼が好きでたまらない。
涼の腰を高く持ち上げ脚を大きく左右に開いてみると、ひくひくとした窄まりが赤く熟れて、俺を誘ってくる。もうこれ以上ないほど張り詰めた先端をそっとあてがってみると、そのまま一気に呑みこまれそうになった。
あぁすごく柔らかい……熱くて一気に吸い込まれそうだ。涼の性器からも蜜が溢れているのを確認すると一層胸が高鳴った。俺の愛撫で涼がこんなに乱れ感じてくれている。そのことが嬉しくてたまらない。
すぐに入るのがためらわれて、何度もその入り口を自身の濡れた先端でこすった。そのたびに涼が堪らない顔をして、甘い喘ぎ声をあげてくる。
「あっんっ……そこっやっ……」
甘い声が届く度に、熱い吐息が肩を掠める度に、ぞくぞくとした快感が背中を走る。やばい……このまま出てしまいそうだ。
「挿れるよ、いいか」
****
安志さんの熱いものが、指でほぐされた部分にぎゅっと押し付けられた。そしてゆっくりだがギュッギュッと確実に意志を持って侵入してきた。指とは比較にならない程の圧迫感を感じ、それに耐えるために唇を噛みしめてしまった。
「うっ……」
少しずつ異物を呑みこんでいく自分の躰に驚いてしまう。
こっ……こんなに大きいの入るのか。
うっ……苦しい。圧迫感がすごい。
「あっ……」
思わず息が詰まり、ぎゅっと瞑った目に涙が浮かんでくる。
痛いというよりも、その圧迫感を乗り越えるのに必死だ。
「涼、息してるか。落ちつけ。痛いか」
「はぁ……はぁ……」
溺れそうだ。安志さんに溺れそうだ。
これ以上溺れるのが怖くなって、安志さんの肩へと必死に震える手を伸ばした。腕を回わし肌を密着させると、安志さんの心臓の音が聴こえて来た。
ドクドクドク。
すごい速さだ。
僕だけじゃない。
安志さんもすごく緊張してる。
そのことにほっとした。
「痛いか」
「だい……じょうぶ」
じりじりと襞をめくるように、安志さんのものが躰の奥へ奥へと侵入してくる。そしてとうとう一番大きな部分をくぷっと音を立てて呑みこんだのが分かった。そこで安志さんは一旦動きを停めた。
「涼の中に全部挿った! すごい……中が燃えるように熱いよ」
「……はぁ……あうっ」
「涼、大丈夫か」
「うっ……」
何も受け入れたことがない器官への圧迫感で死ぬかと思った。でもそれが安志さんの躰の一部だと思うと純粋に嬉しかった。
「怖かったけど……怖くなかった」
「涼、俺……」
見上げると安志さんの眼には、涙がうっすらと浮かんでいた。真っすぐな眼に浮かぶ涙は、水晶のように澄んでいた。
安志さんが泣いてる。
そのことに胸が一気に熱くなる。
「涼、俺……今すごく嬉しいよ。ありがとう」
「僕こそ……嬉しい」
安志さんの手がゆっくりと僕たちが結合している部分に伸びて、そっと確かめるように触れた。
「俺達、ここで一つになっているな」
その部分を優しく撫でられると、改めて自分の躰奥深くに安志さんのものが深く挿入されていることが分かり躰が小刻みに震えた。安志さんはすぐに躰を動かさずに、僕を抱きしめて優しいキスをしてくれた。
「涼の中、熱くて……気持ち良くて、すごくいいよ」
直接的に褒められて恥ずかしくなる。その言葉に反応して僕の中がきゅっと収縮し、どんどん熱くなっていくのが分かる。
「涼、可愛い……あんまり刺激するなよ。動いていいか」
「……う……ゆっくりなら……」
安志さんがゆったりと腰を揺らしだした。
「……っつ、ん……んっ」
僕はその律動に置いて行かれないように、安志さんに必死にしがみついた。
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