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太陽と月9

「ほらっ、もっと」 「んっ……ん……」  唇を離すことを許さないで徐々に深めていくと、俺の両肩に乗せていた涼の手が、プルプルと小さく震え出した。そのまま続けて角度をずらして口腔内へ舌を潜り込ませる。温かい涼の口の中へ……涼の中に潜り込んでもっともっと沢山欲しくなる。 「あっ……」  逃げようとする舌を絡めとり、優しく愛撫してやる。  涼の薄く小さな可愛い唇は花のように開き、いつだって俺を誘ってくる。まるでその中には甘い蜜が入っているようだ。口づけがこんなに甘いなんて、涼とするまで知らなかったよ。  でも……もうやめないと。これ以上だ駄目だ。そう頭では理解しても、俺の躰が本能が涼を求めだす。俺の方も膝立ちしている足の中心に熱がジンジンと痛い位こもって来てしまった。 「んーーーーーーりょ……う?」  その時ベッドの上で丸まって眠っていた洋が、バタンと大きく寝返りを打ったので、二人でビクっと躰を竦ませてしまた。 「よっ洋兄さん、起きたの? 」 「ん…み…ず…ほし…い」 「あっお水? いいよ!待ってて」  涼は慌てて俺をすり抜け、キッチンへ行って水を汲んで来た。 「洋兄さん、ほら飲んで」 「ん…」  コクリ……コクッ  洋の綺麗な口に、水がどんどん吸い込まれていく。洋の小さな喉仏が上下する様子を、俺と涼はじっと見つめた。 「ふぅ……洋兄さんはさ、水を飲む姿も綺麗だね」  突然涼が振り返ってそんなことを言ったので、変な汗が出る。えっと…なんて答えたらいいのか、この場合……戸惑っていると再び洋の声がした。 「ありがと……おやすみぃ…」  涼のベッドなのに、そのままど真ん中で仰向けになってしまった姿に苦笑した。 「ちょっと~洋兄さん、それじゃ僕が眠るスペースがないよ」  慌てて涼がゆさゆさ肩を揺すっても、一向に起きる気配のない洋。 「あーあ、洋は意外と寝相悪いぞ」 「えっそうなの? 」 「涼、こっちへ来いよ」 「えっ? 」 「こっちで一緒に寝よう」  そう言って戸惑っている涼の細い腕を掴んで引っ張ると、躊躇しながらも俺の布団に入ってくれた。 「……あの……安志さん、何もしないよね? 」  布団に入った涼がちょっと心配そうに問う姿が可愛いと思う。本当に俺は涼にベタぼれなんだと思う瞬間だ。 「もちろん、ただ抱きしめるだけだ。さぁもう寝よう」  そう言いながら背後から涼をぎゅっと抱きしめた。  そして涼のうなじに、顔を近づけて目を閉じだ。  若い躰、若い匂い……何もかも大事な俺の涼なんだ。  そんな満足感にも似た気持ちが満ちて来て、ウトウトと眠たくなってきた。  良かった。なんとか野獣にならないでこのまま眠れそうだ。  静かな部屋には、洋の幸せそうな寝息が微かにして、抱きしめた涼からは少し早い鼓動も聴こえていた。  なんて幸せな夜なんだ。  愛おしい人、大事な友と共に眠る初めての夜だった。  おやすみ……俺の恋人……涼。  おやすみ……俺の大事な友人……洋。  そのまま一瞬眠っていたのだろうか、涼の動く気配に気が付いてふと目が覚めた。  ん? 涼まだ起きていたのか。何をもぞもぞとしてんだ? 「涼どうした? 眠れないのか」 「あっ……いやもう寝るよ。気にしないでいから、おっお休みなさい」  慌てたその様子にもしかしてと思い、胸元で抱きしめていた手をずらし涼の下半身を辿ると、涼がビクッと躰を強張らせた。 「あっ! だっ駄目だって」  涼のものが確かに固くなって苦しそうにパジャマのズボンを押し上げていた。  嬉しかった。さっきのキスでこんなに感じてくれていたんだ。 「涼……お前のこんなになってるぞ」 「わっ触らないで! だっ大丈夫だから」  そう言われるともっともっと触れたくなる。  あーこれじゃエロおやじと一緒だ。でも可愛い恋人がこんな状態なのを放っておくわけいかないじゃないか。  涼のものをパジャマのズボンの上から撫でてやる。ラインに沿うようにゆっくりといやらしく焦らしながら。 「んっ……駄目だ」 「おいで。気持ち良くしてやる」 「駄目だって、洋兄さんが起きちゃう」  しきりに辺りを気にする涼の様子すらも、意地悪だか可愛く思ってしまうのだから、もう俺、重症だ。 「涼が静かにしていたら大丈夫だ、出来るよな? 」 「でも……うん」  恥ずかしそうに頬を染め頷く涼はこのまま食べちゃいたい位、可愛いかった。

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