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番外編 安志&涼 『SUMMER VACATION』6

 涼がすごい力で目隠しするので、プールの中でバランスを崩してしまった。 「うわっ!」 「わぁ!」  涼と一緒に足を滑らせ、そのままプールに沈んでしまった。もちろん1mの水深だから、すぐに起きあがったが……頭からずぶ濡れだ。 「ゲホ、ゲホっ」 「ゴホっ──」  涼と肩を組むような形で咳き込んでしまった。  しかし安志は全く動じることなく股間丸出しで、勢いよくプールに飛び込んできた。 「おいおい~大丈夫か? お前たち」  支えあうように起き上がった俺と涼の目の前で、安志の股間にものが元気に揺れていた。  やっぱ……おっきいな、お前の……。 「あ……あ……」  涼の肩がぷるぷると震えている。  うわわ……これはまずいぞ、安志!   涼の沸点が!! 「安志さん!!!! その格好はなに?」 「え? だから水着忘れてさ。ここ男だけのプライベートプールだろう。風呂場と一緒じゃん」  悪びれることもなく、まるで銭湯のようにプールにのんびりと浸かる安志。 「違うっ! そういう問題じゃ」 「あれ? 顔赤いぞ。どうした?」 「どうしたもなにも……その格好で恥ずかしくないの?」  そこまで言われて、安志は自分の股間をじっと見降ろして、やっぱり屈託なく笑った。 「恥ずかしがったらもっと恥ずかしくなるだろう。こう言うときは堂々としているのが一番いいぞ」 「はぁ……とっ、とにかくタオルだ!そうだ、タオルで前を隠して」 「ええ? それって間抜けじゃないか。なぁ洋はどう思う?」  え? それ俺に聞く?  いやいや、そうじゃないだろう。さっきから目のやり場に困ってるんだよ、こっちも。  そりゃ……前は風呂にも一緒に入った仲だよ。でもさ……今お前は涼と付き合ってるんだよな。  あぁぁ、柄にもなく、安志が涼を抱くシーンを脳内で想像してクラクラした。  なぁその立派なもんさ、涼の中にちゃんと全部挿れられるのか。収まるのか。痛くないか。  あっ! 俺も俺でとんでもない想像をして、顔が真っ赤に染まった。 「あ──っ、洋兄さん!今、今何を想像したんだよぉ」  涼の方も俺に負けないほど、顔を紅色に染めて半泣き状態だ。 「僕っやっぱりタオル取ってくる!」  そう言いながら涼がプールから飛び出て行った。  その数秒後、もう一度大きな悲鳴を聞くことになるとは…… **** 「何か物音がしたよ」  茶室の畳に今まさに押し倒そうとしていた翠の表情が、その声に反応するようにすっと引き締まった。  一気に寺の住職であり、兄の顔に戻ってしまった。  浴室の窓からプールの方向を見ると、洋くんと涼くんが水に沈む様子が見えた。 「危ないっ!」  そう叫ぶや否や、翠は裸足のまま芝生に飛び出して行った。 「え……おい? 待て、待て! 翠、お前、今、裸ーー!!」  俺が翠を裸に剥いた癖に、他人に見せるのは許せなくて、慌ててバスタオルを掴んで追いかけた。  でも走りながら、俺は翠の可愛い尻がプリプリと揺れるのに釘付けだった。  まるで西洋のモデルのような、しなやかな肉付き。  大学の頃……細身だが程よく筋肉と肉がついた外人の男性モデルの裸体をスケッチしたことを思い出した。  色白で……きゅっと上がった形のよい小さな尻。  芸術的な美しさなんだよ、翠は。  あの尻を、俺の手で揉み解して……  なんて不埒なことを考える脳に、自分で苦笑した。 「あれ? あいつは……」  正気に戻って前を見据えると、翠の遥か前をもう一人裸体で突っ走っていく男がいた。  安志くん、君もか?  くそっ! 想像以上に、いい身体してんな。  がっちりと筋肉質で、褌が似合いそうな尻じゃねーか!  負けられねー!  そのまま安志くんはヒョイっとプールの淵を飛びえて中に入った。  と同時に、可愛い子ちゃんの悲鳴がお決まりのように聞こえてきた。  さらに入れ替わりでプールから飛び出てきた涼くんと翠が、真正面でぶつかった。 「痛っ!」 「ごめん!大丈夫か」 「え……ええええええ──!」  涼くんは、翠の股間を見つめ固まった。  くくく……なんかおもしろくないか。  真夏の炎天下に。  男だらけのプールってだけでもすごいのに、うち二人は真っ裸ってよ。  どうよ、それ。  俺は腹を抱えて笑ってしまった。 「あー平和だ!!裸っていいなー!」  天を仰ぎ、幸せを噛みしめるように雄叫びをあげていた。

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