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夏休み番外編『SUMMER VACATION 2nd』13

R18 「もっと……もっと強く触れ」  丈の目にぐっと力が宿る。冷静でクールな丈の目に灯る獰猛な視線に、俺は犯されていく。  窓ガラスに背中をつけて、丈と視線を絡み合わせる。 「んっ…これじゃ……」  だが、いくら自分で乳首を弄っても、丈が触れてくれた時ほどの快楽を得られない。 「次は肩を出して……」 「……こう?」  胸元の袷に手を突っ込んで乳首を弄っていたので、既に着崩れていた。  自らの手で浴衣の袷を左右に開いて、肩を胸を露わにして見せる。  今日の俺は何故かこんな淫らなことも、苦も無く出来てしまう。  エアコンの風が肩から乳首を撫で上げていくようで、ぞくっと震えた。 「ふっ素直なんだな。洋……お前、だいぶ酒を飲んだな。翠兄さんの酒はそんなに旨かったか」 「う……ん」  そうか、あの日本酒のせいか。端麗な口当たりで飲み心地が良くて、勧められるがままにぐいぐいと飲んでしまった。  あーもう、翠さんが勧め上手だからいけないんだ。 「洋がいい色に染まっている。美味しそうだな」  丈が突然サイドボードの照明スイッチに手をかけると、突然、眩しい光に突き刺された。 「眩しいよ……」  角度を自由に変えられるスポットライトが俺の躰を狙い、照らしてくる。 「月光を浴びているようで、とても綺麗だ」 「丈……もういい? もうそっちにいってもいいか」  こんな風に一人で浴衣を脱いで、こんな風に照明を浴びるなんて、だんだん恥ずかしくなってきて、居た堪れなくなってきた。 「まだ駄目だ。洋は今日、私を励ましてくれると言ったろう」 「もう十分だろう?」 「いやまだだ。今度は後ろを向いて」 「う……」  戸惑ったが早く丈に触れてもらいたくて、素直に言う通りにした。 「そうだ、窓ガラスに手をついて…」  窓ガラスに手をついて丈に背を向けると、背後に丈の気配を感じた。  怖くない、丈だから何をされても怖くない。だから早く触れて欲しい。  どこか酔った俺の頭は、じれったさから丈を求めだしていた。  ところが抱きしめてもらえると思ったら、突然しゃがんで浴衣の裾を器用にたくし上げられて驚いた。 「ええっ! 何を……あっ馬鹿、それは駄目だ」  慌てて手で制した。  だって……  だって……俺……  今日は下着をつけてないんだ!  そんな仕草をすれば、すぐに丈にばれてしまう。  丈の手が俺の太股から内股に潜り、そのまま上がってくる。  バレる! 「ふっ、洋……なんだ下着をつけていないんだな」 「あ……だって流さんが浴衣の時は下着はつけない方が粋だなんていうから……」 「何? 流兄さんの前で、むき出しの股間を見せたのか」 「え? そこ?……だって……しょうがないだろう」 「はぁ……やっぱりもっとお仕置きが必要だな」  そういうと、丈は一旦俺から離れてクローゼットから何かを取り出した。 「ちゃんと下着はつけろ」 「分かったよ……」  丈の手が、俺に下着をつけていく。  律儀だな、どうせすぐに脱がすのに?  あれ?  え……でもこれって!  慌てて自分の下半身を見ると紐パンツを履かされ、見事に恥ずかしい姿になっていた。 「なっなんだよ! これ!」  ウエストベルトを細い紐だけにした紐ビキニのようなスタイルだ。  フロントとバックの生地を繋ぐのが紐だけという大胆不敵なデザインで、まるで洋式の褌のような破廉恥なデザインだ! 「ふむ……洋には少し大きかったか。前袋がぶかぶかだな」 「なっ……こんなのどこで買ったんだよ!」 「夏休みだからな」 「理由になってないっ!」  丈はしゃがみこんでニヤニヤと嬉しそうに眺めているので、恥ずかしくなって背中を向けた。 「へぇ洋、サービスがいいな」  あっしまった! 後ろは尻が丸見えじゃないか。  慌てて、たくし上げられていた浴衣を下ろそうとすると、ぴちゃっと水音がした。 「じょっ!丈!」  丈が……あろうことか俺のむき出しの尻を舐めあげて来る。 「や……だ! そんなところ……」  必死に抗うが、丈の手が俺の腰をがっしりとホールドしているので、ままならない。 「やっ」  片方の手で尻をギュッギュッと揉み解され、同時にまるでアイスでも舐めるように、ペロっと舐められてしまう。 「あぁ……」 「可愛く熟れた桃のような尻だな。小振りできゅっと上がっていて、この太股へのラインにもそそられる。ひどく官能的だ」  尻へのひっきりなしの刺激と甘い声で卑猥なことを囁かれ、最初は抵抗していた俺の下半身も痺れだしてくる。 「ん……あぁ……」  ふるふると嵩を増すそれが、前袋の中で膨らんでいくのが分かった。丈もそれに気が付いて、手を伸ばしてきた。 「もう、イカせてくれ……さっきからずっと……辛い」  そう強請ると、何故か丈の手には紐が握られていて、俺の根元を縛った。 「なっ!なんで……」 「洋へのお仕置きだ。もう少しだけ我慢出来るな、いい子だ」 「あっ! 駄目だ。これいやだ!もう出したい」 「もう少し舐めてから……もう少し感じてからだ。今日は極限まで我慢してみろ」  窓ガラスに押し付けられ、尻の曲線に沿って丈の舌が走る。  煽られる。  こんな下着をつけられ、帯でかろうじでひっかかった着崩れた浴衣姿で……  感じ過ぎて喉を反らし悲鳴をあげると、竹林の先に広がる夜空に月がいた。  また……月が見ているのか。  こんな風に月を見ながら窓ガラスに押さえつけられながら喘ぐのは、遠い記憶を思い出す。  良い思い出と、悪い思い出がある。  ぐっと奥歯を噛みしめて、今の俺に必要な記憶だけを求めていく。  そうだ……俺を飢えたように求め抱いているのは丈だ。  あのソウルのホテルで、こんな風に窓ガラスに押し付け、俺を抱いたのも丈だ。  あれから、今日まで……  丈は少しも変わらず俺を求めてくれる。  こんなにも激しく、強く。  それが嬉しい──

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