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ある晴れた日に 22

 丈によって揺さぶられる身体。  俺は熱に浮かされたように身を投げ出して、手足を丈に絡めて、丈を呼んでいた。 「丈……丈、俺……幸せだ、最近、幸せ過ぎて……怖いくらいだ」 「洋の幸せは、洋の努力によって手に入れたものだ。だから両手を広げて享受しろ」 「う……ん……んっ」  丈が愛おしげに俺の頬を撫で、唇を何度も何度も吸い上げていく。  感じ過ぎて、おかしくなりそうだ  丈とは何度、身体を重ねただろう。  もう数え切れない程だ。  だが一回一回が新鮮で、こんなにも愛おしい。  先ほどから絶え間なく抽挿され、俺の体内に丈の気配を感じ、丈の大きさを覚えさせられている。 「お……大きい」 「ふっ」  次から次に湧き上がってくる快楽の海に溺れそうだ。 「しっかり掴まっていろ」  長い間……喘ぎ続けてしまった。  都心のホテルというシチュエーションのせいか、丈もいつもよりハードに動き、俺も……いつもより深く乱れた。  後ろだけで、精を放つ身体になった。  俺の体内を丈が熱くしてくれるのが、心地良いと感じるようになった。 「あぁっ――」 「くっ」  繋がり合ったまま、俺は泣いていた。  気持ち良すぎて、丈が好き過ぎて……  丈によって抱きすくめられて、耳元で愛を囁かれる。 「洋、愛している」 「丈……俺も愛してる」  何度も何度も唇を重ね合って、余韻を楽しんでいく。  心と身体が満たされ、心地良い眠りに落ちていく。  丈に抱かれたまま、よく晴れた朝を迎えるだろう。  **** 「もう、おかしくなりそうだ」  感じ過ぎて戦慄く唇を、流が舌で宥めてくれる。  流は満足そうに僕を見下ろし、僕の中にやってきた。 「あ……あぁっ、あ……」  声を上げてしまう。今までの茶室は外に音が漏れてしまうので、必死に抑えていたのに。 「いいぞ、もっと、もっと聞かせてくれよ。翠が俺に感じている声が聞きたい」 「うっ……あぁ」  流の愛撫は止まらない。  挿入された部分はパンパンに張り詰め、ヒクヒクと流のものを咥え込んでいた。  過敏に尖った乳首を指先で捏ねられると、身体がシーツから浮くほど跳ねた。 身体を仰け反らせると、背中から回された流の手が僕の腰を抱き上げ、下半身同士を擦り合わせられる。  流が激しく上下に動けば、摩擦で火がつきそうだ。じんじんと疼いて溜まらない。 「翠……大丈夫か。悪い……激しくし過ぎた」 「いい……流になら、何をされてもいい」  ふと洋くんのことを思いだした。彼も丈に抱かれる時このような心地になるのか。僕にも分かるよ。委ねられる相手になら、何をされてもいいと…… 僕の身体が流の全てを受け止められることが嬉しい。  身体の中に流を受け入れれば、流の心も同時に入ってくる。  愛されている。  愛している。  言葉が重なれば、また一段と愛が深まっていく。 「流、もっと……」 「翠……」 「もっと欲しい」  感激した流の顔。  もうなりふり構っていられない、本能のままに流を求めていく。  全身を激しくゆずぶられ、切羽詰まった声が茶室に響き渡り……最奥に熱を感じ、僕も流も果てた。  互いに興奮が冷めずに、続けて二度目の逢瀬に入った。 ****  深い逢瀬から数日後。 「流、そろそろ入院の準備をしようか」 「そうだな」 「いよいよだな」 「おい、身体が熱いな。まさか風邪でも?」 「違う……ここ数日……沢山抱いてもらったから」  流の傍に近づくだけで、身体が悦んでしまうんだよ。  恋の病なのかもと思う程、僕の身体は、素直に流を欲していた。  火照る身体を静めるために、僕は窓を開け……朝の空気を招きいれた。 「流……今日もよく晴れているな」                        『よく晴れた日に』 了

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