4 / 1010

出会い 4

ふと眼が覚めると部屋の大きな窓から、月明かりが静かに射しこんでいた。 「今、一体何時だ?」 俺はこの部屋に入ってすぐに疲れていたせいか、そのまま眠ってしまったようだ。 時計を見ると深夜2時。 「うわっ…まずいな」 溜息をつきながら壁にもたれかかり、窓の外を見上げた。 「気持ちいい…」 月あかりを浴びたくて顔をあげ、目を瞑った。 月明かりが昔から好きだ。 いつもいつも…悲しい時もさみしい時も、一人見上げた空には月がいてくれた。 すべてが浄化されていく、そんな気持ちになれる。 だが一方で…頭の中が研ぎ澄まされたことにより、明日からの新生活への不安が駆け巡りだしてしまった。 今日から出社するのか… 独身寮なら電車に乗らずに歩いて行けるというのが、決め手だったのに… 手帳を取り出し会社のある駅までの地下鉄のルートを調べると溜息が出る。 ここからだと数駅だが、かなりのラッシュだろうな… 俺の高校時代の思い出したくもない忌々しい過去が蘇る。 大丈夫。 俺はもうあの頃のような子供ではない。 もうあんなことは起きない。 だから電車に乗っても大丈夫だ。 ぎゅっと手の平を握りしめて、覚悟を決める。

ともだちとシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

元証券アナリストとその部下の、恋の駆け引き。
13
2話 / 10,996文字 / 151
2017/5/5 更新
先生の総受けモノ。卒業当日、先生は紫音くんを探しているとーー!?
...89
13話 / 21,152文字 / 203
2018/1/9 更新
ツンツン男子(受)と王子様男子(攻)の恋愛模様。+たまにマネージャー。
11
22話 / 103,271文字 / 60
2018/4/24 更新
ああ、いい年をした男がみっともない。 ハァ……みっともない陛下の姿。可愛い……!
...74
8話 / 35,415文字 / 100
3/29 更新
生徒会の中で見た目の可愛い二人は性格に難あり⁉︎
16話 / 9,096文字 / 0
5/25 更新
王子×姫 恋愛篇まで終了。社会人篇連載中。
...3,637
86話 / 509,170文字 / 1,037
41分前 更新