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出会い 3

  ここが俺の部屋なのか。天井まである大きな窓から外を見ると、 空は徐々に暮れていく気配を見せていた。 「月明かりが届きそうな程大きな窓……」  何故だかこの家は好きだ。静かに守られているような感じがして落ち着く。それにしても、ずいぶんぶっきらぼうな同居人だったな。だが丁度良いのかもしれない。俺も干渉されるのは嫌だ。 ましてまた……いつものような同性の男から変な気でも持たれたら、一つ屋根の下で危険すぎる。  とにかく久しぶりに日本での生活が始まった。 空港に着いてから、ここまで長く、疲れた一日だった。  少しほっとした俺は時差もあり、急な眠気に襲われ ベッドにそのまま倒れこみ、深い眠りに落ちてしまった。 ***** 「なんなのだ!あいつは一体?」  来た早々部屋に閉じこもったかと思えばあれから数時間、出て来やしない。  もう夜だぞ。夕食はどうするつもりだ? 私もこんなお節介を焼くこともあるもんだと、意外な自分に感心しつつ部屋をウロウロしてもう一時間だ。意を決して同居人の部屋をノックするが、 うんともすんとも応答がない。 「おいおい……来た早々ぶっ倒れたのか」  仕方がなくそっとドアを開けてみると、同居人は洋服のままベッドに横たわっていた。 「あっ!」  女と見まごうような綺麗に整った顔で、長い睫毛を伏せ、安心した表情でぐっすりと寝込んでいた。まるで天使が羽を休ませているかのように、清らかな静寂を身にまとって。  どこか懐かしいような 、どこかで逢ったような ……  胸をぎゅっと締め付けられるようで、目が離せない。    途端に心臓もバクバクしてくる。一体なぜ……こんな気持ちに?  慌ててドアを閉め 自分の部屋へ戻り、息を整えた。 「な……なんだったんだ?一瞬、羽が見えたような?」  一体何故こんなに胸が高鳴る? 相手は男じゃないか。 いくら女みたいに綺麗な顔だからって、私にそんな気はない。女性とは何度も寝たこともある、至ってノーマルのはずだ。  私は胸の高鳴りの理由が理解できずに、頭が混乱してしまった。とにかくあまり関わらないようにしよう。再びPCの前に座り、仕事に没頭することで、動揺を打ち消そうと努力した。

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