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第2章 プロローグ
ー重なる月ー
洋を包み込むように胸に抱くと、何故だか月を抱いているような気持ちになる。
儚げな洋は月のように姿を変えて何処かへ消えて行ってしまいそうだ。
そんな洋を追いかける月になりたい…
空に浮かぶ月はひとつ…
その月に覆い被さるように、私は洋を抱く。
月に重なるように…
遠い昔、こんなことがあったのか…
月のような君を抱いた記憶が今蘇る。
遠い昔見上げた月は、ただ悲しかった。
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