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jan.1.2016 happy new yearの男前
大晦日の引き渡しを終えて理は実家に帰った。引っ越しや転職の事をちゃんと両親に伝えるつもりらしい。
鼻水をすすりながら家に一人で帰り、紅白が始まる前に寝てしまった。気が付けば日付が変わっているという間抜けな年越し。さむっ……風呂に入るか。
少し熱めの湯につかってボーっとする。31日の朝から暖房がいっさいない寒い店内で過ごしたから冷えて当然だ。
北海道は冬こそ食品に注意だったりする。半袖でアイスを食べるくらいに暖房を効かせるから、物が腐りやすい。
仕出し物は自分達の手が離れたらもうどうにもできないから、引き渡すまでは細心の注意を払うのだ。
「氷点下の外よりマシ!ぐだぐだ言わない!」
こういう時の村崎は厳しい。ちょっとくらいいいかな~なんて言いそうなのにそれがない。
だから信用できるし、一目置いている。
今年の暮れも極寒の中で盛り付けか。『暗黒の12月』とは村崎の言葉だ。非常に共感できる。365日先のことを考えてウンザリしてどうするんだ、俺。
身体が温まり、することもないのでベッドにもぐりこんだ。
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