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第28話

慎『それで、どうしたの?幸。』 幸は一向に俯いたまま。 幸『ごめんね?慎君…ごめん。』 何を謝っているのか。 ?『幸はもういいから。』 幸を、その男はまるで悪者から遠ざけるように自分の後ろに下げた。 慎『君は誰?』 ?『俺は幸の元彼の柳河。』 ズキンズキンズキン… そう言われた瞬間に偏頭痛が襲ってきた。 いや、実際に先程の具合悪い宣言は半分冗談で半分本気だ。 だからそれが悪化してきただけなのだろうけど…。 慎『そうなんだ。』 幸『慎…くん。』 慎『柳河くんはどうしたいの。』 俺はただ、柳河くんが口を開く瞬間を眺めていた。 柳河『幸と別れて欲しい。』 来るとわかっていた言葉を俺は無表情で聞いていた。

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