42 / 130

第41話

寂しそうな先生を見ているのは何故か辛くて。 慎『きっと、先生のお父さんも凄くこの車が似合っていたんだろうなぁ。』 穂澄『も?』 慎『うん、先生黒のセダン似合う。』 穂澄『何だよそれ笑…まぁ、さんきゅ。』 笑っている先生は、先程までの寂しい顔はしていなかった。 良かった…。 慎『後さー。』 穂澄『ん?』 慎『俺なんかが助手席乗ってよかったの?』 穂澄『何で?』 慎『いや、ほら…恋人とか…。』 車の、それも高級車の助手席に乗れるのって恋人とか愛人だよね…? 穂澄『はぁ?恋人何ていねーよ。 まぁ助手席というか、車に人を乗せたのは初めてだけどな。』 慎『え?!なんでなんで?』 穂澄『何となく嫌だった。 でもお前は何か、嫌じゃなかったんだよ。』 慎『そう、なんだ…何でだろうね。』 何この人恥ずかしいことサラッと… うわぁ今絶対顔赤い! そして先生は、 運転中なのに俺の顔をのぞき込んで… 穂澄『かーわいい。』 ニヤッとそう言って前を向いた。 先生は一体俺をどうしたいわけ? 心臓を止めたいの?俺を殺す気? 俺も何恥ずかしがってんだよ…。

ともだちにシェアしよう!