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第40話

慎『車、格好良いね…先生みたい。』 ポロッとそう言うと驚いていた。 穂澄『へ?』 慎『愛車なの?』 穂澄『ま、まぁ…つってもマニアとかじゃねぇし。乗れればいいかなって。』 乗れればいいかなってって… 慎『このセダン、高そうだけど…。』 穂澄『ぁー、そう?』 慎『うん?!高級車だよ?!』 嫌味か! 穂澄『これはお下がりだからな。』 苦笑いしながら答えてくれた。 慎『お下がり、か…誰のか聞いてもいい?』 穂澄『あぁ、父のだよ。』 慎『先生のお父さんか。』 穂澄『10年以上前からいねぇけど。 大学生時代に貰ったんだ。 倉庫にずっと放ったらかしにされてたらしいから丁度いいやってな。』 居ないって…? 慎『大学生の時から乗ってるの?』 穂澄『物持いいだろ笑』 慎『うん、凄いね。』 そういう先生は何処か寂しげだった。

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