44 / 130

第43話

それから一時間半経ったら、先生は部屋から出てきた。 穂澄『悪いな、せっかく来てるのに篭ってて。』 申し訳なさそうにしてる先生。 慎『しょうがないよ、お疲れさま。』 俺がそう返すと頭を撫でられた。 どうしてか顔に熱が集まってきたので誤魔化すために少し俯く。 それを穂澄は不思議に思ったが、ご飯のことを聞いてきた。 穂澄『そういえば、晩飯どうする?』 慎『どうするって?』 穂澄『作るか外食か、一応冷蔵庫にはまだ適当にあるけど。』 慎『え、先生ご飯作れるの?』 シンプルに驚いた。 穂澄『何驚いてんだよ、作れるけども。』 慎『手料理、食べたい。』 身を乗り出す勢いで言うと笑っていた。 穂澄『味は保障しねぇぞ?』 慎『やったぁ。』 久々の手料理だ。 実は俺は一人暮らしで、ご飯なんて作れるわけもなく…コンビニで済ませていた。 まぁお菓子作りなら得意なんだけどね。 先生の手料理…ふふっ。

ともだちにシェアしよう!