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第48話

先生の名前は、那谷 穂澄(なた ほずみ)。 先生って呼ぶなって言われても! 慎『那谷、さん?』 穂澄『きもい。』 慎『言わせておいてキモいって酷い!』 穂澄『うるせぇ、名前で呼べ。』 慎『ぇっ…ほ、穂澄…?』 様子を伺いながら言ってみる。 すると、ニカッと笑ってくれた。 穂澄『おう、それでいい。』 慎『っ…』 ドキンッ!! その笑顔にときめいた事に気付いてしまう慎。 とてつもなく動揺した。 だって自己満足の為に恋人に愛情をぶつけ続けて、挙句の果てには相手の事を好きではないと別れてから気付いたのだ。 そんな事の積み重なりで、もう人と付き合わないと決めたばかりなのだ。 もし今回も優しくされてときめいただけで、先生のことを好きでなかったら? そうなるのが恐くて指先が冷たくなっていた。 穂澄『慎…。』 慎の様子がおかしくなったことに気づき、 穂澄は席を立って慎を抱き締めた。 慎『ありがとう…もう、大丈夫だから。』 何かの間違いだ、と無理矢理理由を付けて心の奥底にしまい込んだ。

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