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第62話
穂澄『…なぁ、キスだけしてもいいか?』
慎の様子を伺うように聞く。
そんな慎は顔をほんのりと赤くして頷いた。
静かに近寄る穂澄の整った顔。
唇が触れそうになると反射的に目を閉じてしまった。
慎『んッ……』
ふに、と柔らかい感触に胸が高鳴る。
俺、穂澄とキスしてるんだ…
俺を…愛して、くれてる…?
そう思って幸せからか、目尻に涙が浮かんだ。
その後に離れていく穂澄に少し寂しく感じた。
穂澄『言っておくけど、今日だけで終わらせる気はないからな?明日から覚えてないフリとかやめろよ笑』
そんな穂澄にクスリと笑った。
慎『こんな幸せな出来事、一生忘れられないよ。あと、俺は拒絶なんてしない。もし俺が拒絶したとしても俺のこと離さないでほしい…こんなこと言うのはキモいし、重いかもしれないけど…。』
段々自分の言っている内容のキモさに俯き始める。
すると顔を上に向かされる。
驚くと、1回軽くキスをされた。
ちゅっ…
穂澄『キモくないよ、もっと束縛されても構わない…好きだ。』
俺を安心させるように優しく微笑む穂澄を見て、好きで好きでしょうがなくなった。
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