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第63話
穂澄『随分話してたな…そろそろ寝るか。』
そう、あれから小一時間くらい話していたと思う。
慎『ぁっ、そうだね…。』
穂澄『寝るの、怖いか?』
先程寝ようとした時の慎を思い出したのか、
心配そうに問われる。
慎『…少し、でも穂澄がいるから大丈夫。』
そう聞くと、ふっと笑う穂澄。
穂澄『そうか。』
正直すごく怖い。
でもそれは今ではなくて、起きた時のこと。
もしこれが夢で、穂澄がいなかったら?
そう考えると頭がおかしくなりそうになる。
そんなことを考えながらも寝転がり、穂澄の方へ引き寄せられる。
慎『ぇっ?』
穂澄『こうすれば安心するか?』
穂澄の胸に顔が当たり、必然的に体温が上昇していった。
だけどこの鼓動は俺のだけじゃはい。
…穂澄の?
慎『ドキドキ言ってる…。』
穂澄『俺は我慢してるからいいの。』
何を我慢しているんだろう…?
その後は頭を撫でられたりして、緊張で寝れるはずがないと言いながらも温かくてスーッと眠ってしまった。
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