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おれたちバグズクラス!/極道系男子×不良系男子/擬人化

ここはバグズクラス。 学校の人気者が数多くを占める、いつだってわいわいがやがやぶんぶんな教室だ。 「黒蟻(くろあり)、ダッシュではちみつマーガリンホットケーキ買ってこい!」 さて、彼の名前は蜜蜂(みつばち)君、地味平凡な同級生をこき使う、おらおら不良系男子だ。 「俺ってかっこいいだろ?」的アシメントリーhairで制服はいつも崩れがち、身長176センチ、クラス一の低成績を誇るおばか男子でもある。 「ちょっとぉ、俺の黒蟻あんまイジメないでくれる?」 「うるっせぇ、カマ揚羽、誰かにカマ掘られてろ!」 モテモテあげあげ俺様姫系男子の揚羽(あげは)君が嫌いな蜜蜂君は「ヴヴヴヴヴ」とバズりながらガンを飛ばし、揚羽君は痛くも痒くもなさそうな様子で、不敵に、にんまり。 「自分だってカマ掘られてるくせに」 「あ?」 「雀蜂君にイイコトされてんじゃーん?」 「てめぇッ、殺すッ!!」 「ぐうたら雄蜂がッ役立たず針チンコ折ってやるよッ!」 取っ組み合いを始めた蜜蜂君と揚羽君をおろおろ止めようとする黒蟻君、この教室では見慣れた光景だ。 さて、雀蜂(すずめばち)君はどんな生徒かと言うと。 「蟷螂君、お前、返済いつになるご予定だ?」 今やカツアゲなんて時代遅れ、生徒相手に金貸しをする極道系男子だ。 パツキン頭はオールバック、まさかのサングラスにまさかの18金ネックレス、制服シャツのボタンはかけられている数より外されている数の方が断然多い、身長185センチ(どーーん)。 「利子がついて三万円、なるべく俺が荒立たない前に完済して頂けますかねぇ」 ぶっきらぼう口調と敬語が入り混じる言葉遣い、雀蜂君はみんなの恐怖のツボを見事に押さえているのだ、ちなみに蟷螂君が先週借りたお金は二万五千円、雀蜂君金融の利子計算は恐ろしいのだ。 そんな雀蜂君の舎弟である蜜蜂君。 「可愛くしてりゃあ、よくしてやるよ、蜜蜂?」 「ふぁん……っすずめ、ばち、くぅん……ッ」 いろんな意味で極道系男子に可愛がられていた。 「わたし、蜜蜂くんのこと、好きになっちゃった」 そんな蜜蜂君にある日訪れた幸せ。 ふわふわらぶりーなモテ女子の虎長吻虻(とらつりあぶ)ちゃんに告られたのだ! えぇぇぇ、ちょ、マジ? とらぶちゃん、俺のこと、好きなのヴヴヴヴヴ? 「へ、へぇ、まぁ、考えといてやるよヴヴ」 「ほんとぉ? やったぁ」 おっきな黒目がちおめめのふわふわきゅんきゅんぼいんな虎長吻虻ちゃんにぱたぱたジャンプされて、蜜蜂君、内心でれでれ。 ぱたぱた廊下を走り去っていく虎長吻虻ちゃんを見送って、ニマニマしながら、回れ右をしたら。 「蜜蜂、えらくご機嫌じゃねぇか」 雀蜂君がどーーんと真後ろに、いつの間に、立っていた。 「あれッ!? 雀蜂クン、今日ガッコ来てたっけ!?」 「今来たんだよ」 放課後、いいカモはいないかと登校してきた雀蜂君はみるみる真っ青になっていく蜜蜂君にサングラス越しに凄味溢れる笑みを。 「自分が誰の所有物なのかおわかりになってねぇみたいだな、蜜蜂?」 「えッ、おかわりッ?」 「はは……バカなお前、一から教育して、弱肉強食、叩き込んであげましょうかねぇ」 「あッいだいッ! 髪の毛引っ張らないでぇッ!」

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